先日、APS学長・中川が、服部泰宏先生(組織行動論)たちとの協働による論文をひとつ発表しました。
中川功一・佐々木将人・服部泰宏・宮尾学(2022)「組織調査2020の概要と基本的発見事実」法政大学イノベーション・マネジメント研究センター ワーキングペーパー No.245.
こちらは、中川や服部先生が30名近いメンバーで進めてきた「組織調査2020」の概要をまとめたものです。総ページ数も63ページと非常に長く、その内容は、イノベーション、レジリエンス、働き方、戦略、組織、業務デザイン、そして経営業績など実に多岐にわたります。
その詳細は、実際に本文に目を通していただきたく存じますが、この研究で中川が重視した事実を、ここにハイライトで記しておきたいと思います。
とても重要な事実だと思うので、動画にもしました。ぜひ、ご覧下さいましたら幸いです。
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業種問わず、大小さまざまな企業から広く「貴社のミドルマネジャーを10人(以上)選んで回答して下さい」とした結果は…
・男性9割 ・転職経験なしが6割 ・ほとんど全員日本人 ・彼らは緊密に横連携を取り合っている ・彼らは自己効力感を高く感じている ・彼らはレジリエンスも高い ・職場の風土は何より規律重視である ・次いで、結果が重視される風土となっている
これらの事実が良いことなのか悪いことなのかは、私(中川)は明言できません。
少なくとも短期的な経営業績と、これらの事実との間には、ほとんど関連はありません(これは、来月発表する、次の論文でご説明します)。
でも、問題は企業の業績にあるわけではない、と思います。 大半の日本人がその人生を預けることになる、日本企業の姿として、これが望ましいものなのか…は、よくよく議論し、精査をしなければいけません。
いずれにせよ。
私達は、事実から出発しなければいけないのです。
手放しに日本の経営スタイルを褒めることも、あるいは無下にそれを否定することも、適切な姿勢ではないでしょう。よく考え、議論しなければいけないことなのではないか、と思います。
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