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執筆者の写真功一 中川

【内容要約!】勝又先生YouTube LIVE「マーケティングの中と外」

2月より「マーケティング」をご担当いただきます大阪大学の勝又壮太郎先生をお呼びしまして、先日1月18日には、YouTube LIVEを行いました!「マーケティングの中と外」のテーマで伺ったお話しが非常に有益なものでしたので、こちらにまとめたいと思います。


実務家が語るマーケティングの要諦とは、また別の着眼点を、私たちに与えてくれます!


勝又先生のYouTube LIVEの様子はこちら!


**(内容要約)**


今日の話は「マーケティングを学ぶにあたっての大前提を整理しておきましょう」という話。


(1)マーケティング&分析とは、自分の「外」の世界(未知なる世界、制御できない世界)を知るという行為である。


組織論や人材管理などの他の経営学科目が、組織の「中」に注目していく概念である一方で、マーケティングが科学の対象として扱うのは、組織の「外」ないしは「際」である。


外なるものに組織を存続させるための資源が存在しているわけで、外との取引によって組織は存続される。だが、「外」であるわけで、自分達はそれが何たるかを知らないし、自分達で意のままに操ることもできない。


その「外」を知るために行う行動が分析なのであり、「外」との取引を上手にまとめる活動がマーケティングなのである。


外は、分からないのだから、調べる&想像する。これがマーケティングの精神。

だからこそマーケティングとデータが密接に関わってくるのであり(調べる)、そしてまた、データだけでは埋められない溝をイマジネーションで補う(想像する)こともまた必要になる。


(2)マーケティングの主語は「企業は」「組織は」でいいのか?


マーケティングの教科書を読んだり、マーケティングを学ぶ際のポイントになってくるのが、主語に敏感になること。マーケティングは「外」を扱う学問であり、主語が変われば外が何たるかは変わる。よくマーケティングの理論や教科書は「企業」を主語にするが、多くの場合、マーケターや営業パーソンにとっての「外」は、それよりもだいぶ狭い。製造や開発も外であろうし、人事や経理も外となる。操作できる変数が「企業」とはだいぶ違うのだ。


自分が操作できる範囲「中」は何で、自分が知らなければならない範囲「外」は何かにコンシャスになり、ただしく把握しないと、マーケティングは機能しない。


典型的には4Pの概念が当てはまる。教科書的には4Pは全て「企業が市場に提案するもの」すなわち操作可能な「中」となるが、マーケターや営業パーソンにとって、多くの場合、ProductやPrice、時にはPlaceまでもが所与だ。操作不能であり、自らが調べ、想像で補わなければならない「外」になるのだ。(だから営業パーソンは製品や価格を所与としたうえで、「どういう顧客の、どういう悩みを解決するのか」をイマジネーションし、営業活動を行うことになる)


(3)「外」を操作するメガマーケティング


勝又先生の近年の研究が、外を所与のものとしない、外を操作するマーケティング方法の確立である。コトラーが80年代にはメガマーケティングの名をそれに与えた。制度理論を理論的背景に獲得することで、2010年頃から再び注目されるようになった。


★制度理論…所与とされる諸制度(法制度から文化までを含む、明文化されているかどうかを問わないルール)が組織の行動を決めるという理論。制度を変革することで組織は行動を変えられるようにもなる


制度が変わるとき「外」のニーズも変わる。マスクをするのが社会の当たり前になれば、マスクの市場が出来上がる。これを、狙って仕掛けられないか。


かつて、制度変更を狙って仕掛けて、成功した事例がある。


「携帯電話で音楽を聴く」である。これに先行し、成功を収めたのは日本だ。「着メロ」は、京都の小さな半導体設計会社が構想し、ドコモや端末メーカー、カラオケ会社などに働きかけ、社会の常識を変えた。携帯電話で音楽を聴くのが一般的になったのだ。


決して「外」は所与ではない。自らの組織だけでは変えることが難しくても、外部の別の組織とうまく連携し、新しい社会の常識を作っていけば、市場を新しく作り、その市場でのリーダーになることができるのだ。


**(要約以上)**


理論的にマーケティングというものを深耕されてきた勝又先生ならではの視座に、学ぶところ多大でした!


勝又先生のマーケティングは2月から開始です!ぜひ、勝又先生の講座でも引き続きマーケティングの新鮮な学びを得てもらえたらと思います!


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