■APSの取り組みは、既存の大学制度を破壊する性質のものではないのか■
このようなご意見・ご質問を頂戴いたしましたので、APSの立場を明確にしまして、疑問に答えるとともに、私たちの理念をお伝えさせて頂きたく存じます。
APSは、大学の代替ではなく、大学の補完を目指すものです。
「経営学を社会にインストールする」「この世界は、経営学で、もっと良くできる」「アカデミーの力を、社会に」そうした言葉をこれまで使ってまいりましたように、APSは、アカデミアに蓄積されてきた知識というものの価値を深く理解し、それに敬意を払ったうえで、その知識が行き届く領域を拡充しようとする取り組みです。
私は、日本の高等教育制度の核として、大学制度やMBAが必要不可欠なものであると確信しています。そこに、分厚い知識層があること、求めればフルサービスとしての教育が受けられることが、この社会のインフラです。私は、そこに深いリスペクトを持っております。
だからこそ、APSは、その大学の知をより広い対象に提供していくことを理念として、活動を開始しました。
大学・MBAがその質を保っていくためには、フルタイム・フルサービスで、それゆえにフルプライスであることが求められます。それは仕組みとして必要なことだと思います。
ですが、それゆえに、既存の大学制度ではカバーしきれない領域が、この社会には未だ広く取り残されています。そして、その領域は、現状、アカデミア以外の方々がカバーしてくださっています。
私はむしろ、大学のありようではなく、大学という仕組みではカバーできない領域へと、どうアカデミアの知を普及させるのかに、問題関心を持ったのです。
そのために、既存の大学という仕組みを中核とし、その周辺部を補完するものとして、また異なる形で、大学の先生方と手をとりながら、アカデミアとしてリーチを広げようという取り組みがAPSです。
そのような立ち位置を明確にする意味でも、APSでは既存の仕組みと明確に住み分ける形式を採用しています。直接に同じことを、同じ対象に向けて実施しても私たちの理念の達成にはなりません。異なる価格や教育サービスの形で、これまでの大学の仕組みではアクセスが難しかった方々のために、アカデミアの門を開くのがAPSの役割です。
皆様に置かれましては、APSの取り組みはアカデミアの領域を拡充するための取り組みとして、ご理解頂けましたら幸いです。
活動が本格化するなかで、こうした点について未だ明確にしていなかったことをお詫びいたします。私はAPSがアカデミアと社会の架け橋となることを願って設立しております。その意味で、今後も、APSの取り組みについて疑問や改善点がございましたら、何でもお気軽にお伝えいただけたらと存じます!
APS学長
中川功一
Commentaires